本物の素材をあなたに届けたい!
国産材生産者との出会いの物語

本物の素材をつくる国産材生産者との出会いの物語

長寿命の家づくりを材料でバックアップしてくれているのが、山の民と呼んでいる国産材生産者です。
彼らの協力なくしては、品質の良いものを安く皆様に提供することは不可能でした。
山の民のことを知ってもらうことで、皆さんに住まいへの安心感を持ってもらうことが出来ると考えました。
当社との出会いのストーリーを通じて、自然素材のことをお伝えします。

はじまり

日本は世界第二位の森林国です。
けれども、その森林資源が必ずしも有効に活用されてはいません。木造建築では、宝となる素材です。 それを無にしてしまうのは、あまりにももったいない話です。大工仕事を通じて、日本の木の耐久性や美しさを肌で感じていたため、国産材の魅力を充分発揮できる住宅をつくりたいという思いを常に抱いていました。
国産材の魅力の第1は、寿命の長いことです。そしてもう一つの魅力は、木肌の色合いや肌触りが、 癒し効果を与えてくれることです。住まいにとって重要な耐久性と心地良さを合わせもった、 無二の材料であることには間違いありません。ただ、流通が整備されていませんでした。
そのため、国産材には高いという先入観がありました。
市場では、安価な輸入材が巾を利かせ、集成材も台頭してきました。戦後植林で森林資源も充分成長している時期、どこかに必ず良材を安く出してくれる山の人たちが居るはず・・・。 「日本の山の良材探しをしよう」 そう思い立ったのが、山の民との出会いの始まりでした。

苦渋の選択

日本は国土の68%ほどが森林で覆われているため、日本各地に木材産地があります。
とにかく、めぼしい木材産地の林業組合や国産材生産者に連絡を取り始めました。 当初、林業組合や国産材生産者は、これまでの決まった流通があるため、 町の一工務店と直接交渉に応じてくれないのではと心配でした。 もちろん門前払いにあったこともありましたが、各産地には、山の木を利用した 独自の製品づくりを行い、流通の固定化が国産材の衰退を招いているということを知り、 その改革に動いている人たちもいるということがわかりました。
そんな山の生産者から、少しずつ情報やサンプルが集まり始めました。ヒノキ、スギ、マツ、クスノキ、サワラ、カラマツ、クリ、ヒバ。 特にスギが多く、今の日本の山の状況がよくわかりました。 けれども、全ての林産地の生産者と取り引きをすることができないため、 選択をしなければいけません。 心安く協力を申し出てくれた山の人たちの好意を切り捨てていくことは 本当に心苦しいことですが、良材を安く提供するという当社の主旨に立ち、 5つの点から候補を絞りました。
1・ 素材本来の特徴的な美しさが引き出されているかどうか
1・ 防腐剤などを使用せず安全に生産されているか
1・ 乾燥がしっかり行われているか
1・ 生産者にこだわりがあるか
1・ 輸入材と競争できる価格か
日本各地の木材産地のサンプルを見ることができて幸運だったのは、比較ができたことでした。
同じ樹種でも産地によって風合いが異なることが分かり、「これが良い」という判断も迷うことなくできたことです。

輸入材でもいいものがあるのでは?

構造材では、国産材が随一です。
これには異論がないと思います。でも、床材などは輸入材の方が高級でいいものがある、と思っておられる方も多いのではないでしょうか。
日本が産する無垢の床材は針葉樹が多く、色目的にも和の味わいです。 洋の雰囲気を望まれる方には、広葉樹に塗装をした輸入の床材の色目に魅力を感じるのでしょう。
軟らかく、暖かく、足にやさしいという無垢の魅力よりも、色目の魅力を 優先されるという選択であればそれも良いのです。 問題は塗装されていない輸入材を素足で使う場合です。 自然素材の家や健康住宅を商品としている住宅会社でも、 当然のようにパイン材(松)を使っています。 輸入材の中では安価なためです。
けれども、パイン(松)はカビやすい材質のため、当然のように防腐剤処理がされています。
輸入材なら特にその可能性が高いため、防腐処理をしていないことを調べるのは困難です。
素足の生活が基本の日本の住宅で、直接素肌に触れる部分に防腐処理が施されている可能生のある素材を使用するのは、特に小さなお子さんがおられるご家族の場合は、慎重に考えられるべきです。 当社が取引きの候補の条件として、防腐処理がされていないことを条件に出しているのは、日本の素材でも、注意しないと防腐処理材があるからです。
注意して選択できたおかげで、カビやすい松でも、防腐処理をしないで良材を生産してくれている 生産者に出会うことができました。

生産者の創意工夫と努力

5つの条件に合う木材産地、生産者を選択させてもらいました。
それぞれが、こだわりを持ち、品質の管理や向上に注意を払い、国産材では最も難しい価格を抑えるということにも努力されている方々です。
国産材は、急峻な山から木を伐採して運びだすので、人件費・運搬費もかかります。 いくつかの問屋、販売店経由で一般ユーザーに届く頃には山だし価格より随分高くなっているのが現状 です。
価格の点では大規模な林業経営の輸入材にはとてもかないません。 国産材を輸入材の価格に近づけようとすると、山の民の努力と、流通経路の縮小がどうしても 必要となってきます。 生産者の創意工夫と努力に敬意を表して、まず対話から始めるべきだと考えました

鳥取県智頭町を訪ねる

智頭町は鳥取県の東南に位置し、岡山県に接する県境地帯にある町です。
日本海側気候に属し、冬に雪が多く、町面積の93%を山林が占めています。 人里離れた山奥で少しずつ成長する智頭スギは、繊細で美しい直線の年輪模様が特徴です。 古くから優良材として知られてきました。その智頭で天然材の質感を大切にし、じっくりと良材をつくりあげる山の民がいます。
80年~100年生の高樹齢のスギだからできる、赤身と白太のハーモニーが調和したその 仕上がりには、「澄みきった山の空気を、暮らしの中で感じとって頂ければ・・・・」 という山の民の思いが強く感じられます。
扱っているスギは、主として地域の公共事業に出荷されており、品質管理が行き届いています。 案内していただいたご自宅は、スギの製品がふんだんに使われ、 落ち着いた雰囲気と美しさは今でも頭から離れません。 価格の交渉も和やかなまま無事終わり、再度訪れることを約して智頭を後にしました。

徳島県木頭杉の産地を訪ねる

徳島県南部の那賀川上流から海南町一帯を木頭地方と呼びます。
古くからスギの産地で、赤身のやさしい色合いと、すぐれた強度が特徴のスギを産出してきました。そんな徳島に行くと県をあげて木材使用に力を入れている様子が良くわかります。いくつもの地域や組合がそれぞれに、スギで造ったモデルハウスを持って、情報発信をしています。
スギを使い、植林をして、山を守ろうという山の民の情熱に動かされて、 短期間に3度徳島に通うことになりました。 林業家、製材所、建築士の人達と意見を交換する機会を得ました。 そんな中で、木を育て、一途なまでに木を守ろうとする林業家が、一見地味なスギにこんな表情が あったのかと驚かされるこだわりの良材を造りあげていました。
60年以上のスギを使用し、手を抜かない乾燥工程を経て仕上げられた良材には、 本物の住まいづくりと林業の復活にかけた山の民の必死さが伺えます。 徳島でもこだわりの生産者に出会えたのは幸運でした。

大分県日田市のスギの生産者と会う

日本三大スギの産地として知られる九州の小京都、大分県日田市。
九州地域は温暖なためスギの生育もはやく、本州に比べると比較的 搬出アプローチが容易なためか、良質なスギを安価で提供してくれるスギの産地です。
ここのスギを適材適所に使用することは、安価な輸入材に対抗するためにも必要なことだと考えこだわりの山の民を探しました。
山を守り、環境問題にも取り組む生産者がいると聞き、連絡をとると、近々大阪に来る ということだったので、少し時間を頂くことにしました。
出会いは短時間でしたが、現在取り組んでいる新製品燻煙(くんえん)乾燥のスギについて、 控えめに熱く語るそのおやじに強く好感がもてました。 その山の民は、原木の仕入れから加工まで一貫生産で行い、スギの赤身部分を厳選し、天日乾燥に こだわった良品を造りあげています。

やっと出会えた山の民

樹種によって味わい深い木肌の特徴が異なります。
国産のマツの木肌は、日本女性の木目細かい柔肌に似ており、 輸入材のマツは白人女性の肌に似ています。 人も木も地域の気候に育まれているのがよくわかります。 昔から構造材としてよく使われてきた材料でしたが、 マツを見つけることが一番難しいものでした。
輸入材に活躍の場を奪われてしまったことや、 マツ喰虫のためマツが傷められ日本の山からマツが消えかかっているという理由もあり、 マツを扱う山の民が少なくなったためでした。 一般の流通ルートを使えば手に入りますが、 もったいぶった価格はこちらの希望の倍になります。 送られてきたサンプルの中からいくつかの候補はありましたが、 仕上りも価格も納得できるものではありませんでした。 マツの良材を安く提供してくれる生産者を探すことに時間を費やすことになりました。
やっとのことで、願ってもない生産者に出会えることができました。 マツの化粧梁は、天然乾燥にこだわり良質の山陰マツを出している山口県萩市から、マツの床材は、岩手県や福島県からマツを仕入れ加工して、良心的な価格で出してくれる生産者を 茨城県水戸市で見つけました。そして更に、岡山県でマツの生産を専門で行うこだわりの生産者に出会うことができました。
期間限定のマツの逸品は、当社でも人が集まるリビングに積極的に使用したい美しさと上品さを備えています。

銘木の里奈良県吉野を訪ねる

家を支える大切な構造材の候補にまず浮上したのは、誰もが知る銘木の里吉野でした。
古くから酒樽に使う材料の産地として知られ木材産地として発展した地域でした。住宅の構造材として吉野材が適しているのは、よく手入れがされているためです。
細かくバランスのとれた目の詰んだ年輪幅をもっており、年輪が木の真中にきているため、強く長持ちするからです。 吉野でも特に良材を出すと言われている川上村のスギ、ヒノキを扱う山の民を桜井市に訪ね、 川上村の木材集積地を案内してもらいました。 国産木材では最も品質が高く、高価である吉野のスギ、ヒノキの産地で、良質の構造材とヒノキの床材をリーズナブルに提供している山の民に出会えたのは願ってもないことでした。

地産地消、お膝元丹波の山を訪れる

茶室・金閣寺常足亭を造った木下棟梁の一文にこのようなことが書かれてありました。まして細い柱にホゾを貫き何百年も持たせようと思ったら、どこの 木が強いかを知ることほど大切なことはありません。
-中略―  私の経験では、吉野や丹波のスギやヒノキが一番構造材に適していると思います~ 年輪幅を細かくして強度と耐水性のある木材にするため、植林の時から密植して、 間伐まで計画されて育てられている吉野のスギ、ヒノキと丹波のスギ、ヒノキが 同等に語られているではありませんか。 こんな貴重な情報を見逃すことはできません。
この一文を頼りに、丹波の山の民を訪れました。 おかげで、兵庫県でも指折りの面積を持つ丹波の製材所から、スギ、ヒノキを 直接仕入れるルートを持つことができました

和歌山県田辺市を訪れる

銘木の里奈良県吉野と山続きの和歌山県は、陸の交通の便が悪く、関西とは縁遠い関係でした。一方、関東地方とは昔から結びつきが強く、和歌山の有名人・紀伊国屋文左衛門が航路を使って江戸で大儲けした話は有名です。
和歌山のスギ、ヒノキも品質が良く、住宅の構造材に適しているのですが、その殆どは関東で使用されています。そんな和歌山に知る人ぞ知る業界きっての良質な構造材を提供している山の民があります。
その山の民は、和歌山に個人で広大な山林を所有し、日本で始めて構造材のJAS認定を取り、日々品質の向上に努めています。その出会いの中で、長期優良住宅先導事業にも参加することが可能となりました。
日本でも有数の優良な構造材を提供してくれる山の民を近くに持つことは、大きな力となりました。

宮崎県とつながる

平坦地の利を活かして林道を整備した宮崎県は、スギ生産量で圧倒的な日本1となりました。
2位以下の、秋田県、熊本県、大分県を生産量で倍以上離しての独走です。もともと宮崎牛の牛舎、鹿児島黒豚の豚舎など大規模な木造をつくっていたため、大径木の搬出と、大きな材料の加工においては日本でも宮崎だけの独壇場とも言えます。
木材利用技術センターを持ち、スギの研究を行い、スギの強度を数値化してスギの利用範囲の拡大に力を注いでいるスギの先進県と言えます。
そんな宮崎の山の民がチームを組んで、応援してくれています。宮崎県のアドバンテージは、大きな材を安価に出せること。そして大きな材を加工する機械があるということ。 そういう意味で、チーム宮崎の協力があってこそできる家がある、造れる空間がある、ということになります。

山の民と皆さんをつなぐ

10年近い年月をかけ、こだわりと情熱をもった山の民と出会い、つながりを深めてきました。
そんな山の民と皆さんが山で出会うことができれば・・・・。 今、アイ・エヌ・ジーが考えていることはそんなことです。
山の木を見て家づくりを発想する、その発想を実現するために山の民がいる。 こんな家づくりがスタンダードになれば、住まいも、山も未来につながるはずです。
微力ながらアイ・エヌ・ジーは、皆さんの家づくりを山の民と共に応援します。